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関西在住の元大学生

『世界 「自主憲法制定=全面改正」論批判』奥平康弘、『世界 なぜ立憲主義を破壊しようとするのか』樋口陽一

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まず、自民党がもともと自主憲法制定を党是に掲げてたってのに驚いた。これはあれなのか、単に俺が勉強不足なだけなのか。そうですか。

この前の選挙で、自民党は選挙公約の中で「憲法改正」をうたっていたらしい。これも知らなかったんだが。いや聞いたことあるなーぐらいは思ったけど、そうだったんだーって感じ。やっぱりここで書かれていた通り、大衆のほとんどは知らなかったんじゃないかな。知らずに投票しちゃったんじゃないかな。アベノミクスっていうポピュリズム的なワードに魅かれて。領土侵犯も掲げてたっけ。ナショナリズムをあおるよね、これも。で、公約で書かれていたにも関わらず当選したのだから民意は憲法改正にある!!ということを盾にして改正へ向けて進んでいくのあろうか。

 

「押しつけ憲法論」

自民党が言う、憲法改正を正当化している理由の一つに「日本国憲法GHQに押しつけられたものだから」というものがある。これはまぁ建前で、本当のところはもっともっと違うところにあるんだろうと思う。だってこんな短絡的な理由、理由にはならないだろう。こうした理由を掲げるのは、あれだろうか?Natinalismを煽ろうとしているのだろうか?それならば、とんだ見当違いの結果を招くだろう。なぜなら、戦後とは大分時代が変わって、若い人を始め、海外に対して友好的な人が増えてきていると思うからだ。こうした文句は、大衆の多くがアメリカに対して敵対心を持っていて初めて有効に機能するものだと思う。

いちばん強くあるいは原理的に「押しつけ憲法」論と対決するのは、「押しつけであろうとなかろうと、いいものであるなら、いいじゃないか」という、いわば「実態重視」論である。実は、加藤周一がとっていたポジションであった。

これは本当にその通りだと思う。押しつけられたものだろうとなかろうと、メンツを保つよりも、日本の現状に合うか合わないかで考えるべきであろう。こんな浅い論点で議論すべきではない。(まぁ、自民党も本気で思っているとは思えないが)

 

集団的自衛権国防軍

昨今、東アジア付近がキナ臭い。ぱっと思いつくので尖閣諸島南シナ海領有権、ウクライナあたり。もう正に一触即発状態であり、いつ戦争が起きてもおかしくないのではとさえ言われている。

そんな情勢の中、安倍内閣は9条の憲法解釈を変更し、集団的自衛権行使容認に向け舵を切っている。さらに自衛隊国防軍に変更しようともしている。もし、国防軍が新設されたなら、軍に所属する物たちには重い守秘義務が課されるようである。

やはり、安倍首相の目的としては他国との関係強化が狙いなのだろうか?もし、集団的自衛権行使が容認されれば友好国が攻撃された場合にも武力援助ができるため、必然的に他国との結びつきは強くなる。特に中国と領有権問題を抱える東アジア諸国、更にアメリカとが狙いであろうか。これらの国々との結びつきが強くなればTPP交渉に対して、有利に働くかもしれない。こうしたことも安倍首相の狙いなのだろうか?

 

「だまされる罪」

1945年の敗戦直後、ある著名な作家が「私はだまされていた」と述懐しました。それとは対照的に、「『だまされていた』と言って平気でいられる国民なら、おそらく何度でもだまされるだろう」と警告して、「だまされた者の罪」こそ問題なのだときちんと書き残したのが、名作『無法松の一生』の映画作家、伊丹万作です。

これは本当にその通りだなぁと思わされる一節。多分人間って、一回や二回だまされるくらいなら怒れるし、問題視できるんだろうと思う。しかし、今までに騙されてきたことが多すぎると、それを問題として見れなくなってくる。ある種、当たり前のものとして見てしまうようになるのではないか。普段誠実な人がつく嘘よりも、いっつもウソばっか付いてる人の嘘とでは一回の重みが違う…みたいな。

 

ここでは自民党の出した「憲法改正草案」が徹底的にこき下ろされてましたね。でもぶっちゃけ政治っていう分野に今まであまり触れてこなかったせいで、へーってしか思えず。経済学部なのに…。ただ、この民主主義国に暮らすものとして、しっかりと現政権を見守って行かなければならないんだと思いますよ。それが国民の義務だと思うし。自分は昔からポピュリズム的な文句に弱いから、安倍首相が何を目指しているのかを自分なりに考えていきたいと思う。そのためには新聞とか雑誌読まなきゃ…読まなきゃ…

後、立憲主義とか皇室制とか出てきたけどそれについても勉強したいね。

何でか分からんけど、個人的に来た一節

「皆で決めた縛りだからこそ、皆を縛ることができる。」

 

 大日本帝国憲法明治憲法

とうぜ【党是】…その政党が決めた根本方針

自主憲法論】…憲法に不備があったために、新たに議論し、新憲法を作ろうとする考え方

【闊達】…心が広く、小さな物事にこだわらないさま

slippery customer…あてにならない消費者